寝ても覚めても
人に恋する人生は、川の流れのよう。
言葉数少ない朝子だが、リョウヘイを見る視線の先には麦がいて、
リョウヘイを愛する気持ちは、麦への思いと重なりあっている。
まるで水滴の一粒一粒が合わさって川となり、先へ流れるにつれて複雑に混ぜ合っていくように。
その川は、汚いのか、きれいなのか。
相手を思い、許し、先へ流れ続けていくことができれば、
その川は涸れずに大海へとたどり着く。
The Shape of Water
怪人との恋。
対象を本質的に好きになることは、外観や社会的な常識、固定概念にとらわれず、
心の底から恋に落ちることのように思う。
その人のことが好き。それ以外に何もいらない。
その究極を、唖者である主人公(イライザ)と、水中の怪人で描く。
イライザの隣人の絵描老人は、ダイナーズのシェフである青年に恋をする。
禿げをカツラで隠し、ゲイを告白してアプローチを図るも、見事粉砕。
外観を過剰なまでに気にかけたり、ゲイであることが恋愛における障壁となってしまう様は、イライザと怪人の無敵な恋愛関係と対照的に描かれる。
執拗に挿入される性描写は、何を意味するか。
画面全体に、意図的にちりばめられた緑色の色彩が美しい。