マイ・カルチャー日記

日々触れる映画・音楽・書籍を残さず飲み込み、形にしたい

クレイジー・リッチ

いわゆるシンデレラストーリだが、中華系俳優陣で占められたキャストのハリウッド映画。

 

2018.10.6のSNL(Saturday Night Live)のホストとして登場したAWKWAFINAがコメントしていたように、アジア系の人間が業界で活躍するのはまだまだ難しい。その中で、あるいはそのような環境を受けて、この映画がヒットしたことは、同じアジア人として大変喜ばしい。

 

内容に関しては、彼女(Rachael)を無条件に愛し、ラストでプロポーズする姿にグッときた。

 

さっきまでYoutubeで関連インタビュー動画を視聴。

今のアメリカで活躍するアジア人を見て、改めてアメリカ行きたいなーと思った。

 

Crazy Rich Asians poster.png

 

寝ても覚めても

人に恋する人生は、川の流れのよう。

言葉数少ない朝子だが、リョウヘイを見る視線の先には麦がいて、

リョウヘイを愛する気持ちは、麦への思いと重なりあっている。

まるで水滴の一粒一粒が合わさって川となり、先へ流れるにつれて複雑に混ぜ合っていくように。

 

その川は、汚いのか、きれいなのか。

相手を思い、許し、先へ流れ続けていくことができれば、

その川は涸れずに大海へとたどり着く。

 

 

ワンダーウォール

渡辺あや作。

 

大学権力と、寮生の間に建てられた壁。

それは物理的な距離を隔てると同時に、一切の意思疎通を拒否する姿勢。

 

近衛寮は、男女平等、上下関係なし(敬語なし)、全会一致が原則。

それは、我々が観念的に理想と認識しながらも、実現困難な社会。

 

三船香が寮内で語ったように、人としての幸福の形が、近衛寮にあった。

それは大学権力が象徴する経済合理性と相反するが、

自分も寮生側の立場で生きていきたい。

 

Call Me by Your Name

美しすぎる名作。

イタリアの大自然、語られる芸術・文学などの教養。

二人の愛は、とてつもなく素直。

素直だけれど、原作者の思いを鍵にストーリーを紐解いていくと、

いかに儚く切ないか。

最後の父の言葉に、胸が詰まる。

 

ルカ・グァダニーノ監督、前作『胸騒ぎのシチリア』もそうだったように、

とても構造的な、映画らしい映画を作成している印象。

画面に映るもの全てに意図が込められており、物語を語っている。

充実した映画体験が味わえる。大好物な映画だ。

 

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The Shape of Water

怪人との恋。

対象を本質的に好きになることは、外観や社会的な常識、固定概念にとらわれず、

心の底から恋に落ちることのように思う。

その人のことが好き。それ以外に何もいらない。

 

その究極を、唖者である主人公(イライザ)と、水中の怪人で描く。

 

イライザの隣人の絵描老人は、ダイナーズのシェフである青年に恋をする。

禿げをカツラで隠し、ゲイを告白してアプローチを図るも、見事粉砕。

外観を過剰なまでに気にかけたり、ゲイであることが恋愛における障壁となってしまう様は、イライザと怪人の無敵な恋愛関係と対照的に描かれる。

 

執拗に挿入される性描写は、何を意味するか。

画面全体に、意図的にちりばめられた緑色の色彩が美しい。

 

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『翼』白石一文

久しぶりに白石一文の小説を読んだ。

学生の頃にはまり、手当たり次第読んでいた時期があったが、

少し大人になり、小説の扱うテーマがより身近になったことで、

作者の思いに共感しつつも、痛々しく胸に突き刺さる。

 

愛を体現する形は、原始的には何にも縛られるはずがない。

社会が定義する恋人関係、夫婦関係にとらわれず、ただ運命の人を

直感的に信じ、愛し、そばにいることができればそれでいい。

  

岳志の考え方は常軌を逸しているように思えるが、

自分も運命の人を決断し、迷うことなく思い遂げたい、と心から共感した。

世間体にとらわれず、愛を語り、素直になりたい。