久しぶりに白石一文の小説を読んだ。
学生の頃にはまり、手当たり次第読んでいた時期があったが、
少し大人になり、小説の扱うテーマがより身近になったことで、
作者の思いに共感しつつも、痛々しく胸に突き刺さる。
愛を体現する形は、原始的には何にも縛られるはずがない。
社会が定義する恋人関係、夫婦関係にとらわれず、ただ運命の人を
直感的に信じ、愛し、そばにいることができればそれでいい。
岳志の考え方は常軌を逸しているように思えるが、
自分も運命の人を決断し、迷うことなく思い遂げたい、と心から共感した。
世間体にとらわれず、愛を語り、素直になりたい。